ICソケットはICを直接プリント基板に搭載するのではなく、必要に応じて交換したり、また様々な作業をするために利用されるものとなっています。また最近では電子機器の動作を司るCPUなどにも利用されることが多く、これを利用することで冷却効果を高めたり、あるいは他の部品との物理的な干渉を防ぐために利用されることも多くなっているのが特徴です。特にCPUに使用する場合、開発段階でその動作を確認するために、エミュレータと言われる擬似CPUのシステムを接続する上でも有利であるため、このために装着される場合も少なくありません。ICソケットを利用する際には、直接プリント基板にICを搭載した場合とは異なる状況になる場合があることをあらかじめ予測しておくことが大切です。
特に高速で動作するシステムの場合、実際の接続の長さが長くなる傾向にあり、そのために電気的な影響をその部分を通る信号に及ぼすことが多いためです。これを専門用語でインピーダンスと呼びますが、このインピーダンスが変化することで信号そのものの特性が変化してしまうことがあり、これが動作に影響することが多いので注意が必要です。最近ではプリント基板を設計する際に様々なシミュレーションを行うことができる設計システムが数多く登場しており、これを利用することでICソケットの影響を事前に知ることができます。ICソケットを利用する場合にはこれらのシステムも効果的に利用し、事前にその影響を確認した上で利用することが効果的な方法となっています。